プロボクシングのスターといえば井上尚弥だ。25歳の若さで3階級制覇を達成し、現在はバンタム級の世界王者たちが真の世界一を争うトーナメント戦、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)で快進撃を続け、ボクシングに興味のない一般層にもその存在が知られるようになってきた。一方で、いまや1試合のファイトマネーが1億円に届こうか、というところまできた井上とは対照的に、あまり日の当たらない世界チャンピオンがいることは知られていない 。どうしてこのような格差が出るのか。今回は「ボクシングとテレビ」という観点から昨今の世界チャンピオン事情を解き明かしてみたい。 日本ボクシング史上最高傑作と評判の井上尚弥(写真:ロイター/アフロ)現在、男子の日本人世界チャンピオン は暫定王者を含めて7人。軽いクラスから名前を挙げてみよう(7月11日現在)。 ライト・フライ級(WBC) 拳四朗 ライト・フライ級(W