陸上自衛隊の源流は、朝鮮戦争の勃発によって誕生した警察予備隊です。当時は再軍備への懸念から、警察予備隊の出動命令は内閣総理大臣しか出せませんでした。それが、初の災害派遣のときに足かせとなったのです。 自衛隊初の災害派遣は台風の被災地 2020年は陸上自衛隊が発足して70周年の節目です。1950(昭和25)年8月10日に陸上自衛隊の母体である警察予備隊が発足しましたが、太平洋戦争ののち、幸運にも日本は戦禍に巻き込まれることなく現在に至っています。そのため陸上自衛隊も発足以来、実戦は経験していません。 むしろ日本国民にとって、自衛隊は災害派遣(人命救助)で活動するイメージの方が強いというのも統計的に出ていますが、その先駆けとされているのが、警察予備隊発足の翌年、1951(昭和26)年10月に起きた「ルース台風」での救助活動です。しかし、この警察予備隊(自衛隊)初となる災害派遣は、今と違って迅速