ネット印刷事業から始まったラクスル株式会社は、印刷以外にも物流サービスの「ハコベル」や、テレビCMの制作・放映を行う広告事業にまで進出しています。いずれも古くから存在する伝統的な業種で、デジタル化があまり進んでいなかった分野でしたが、ラクスルはシェアリングエコノミーの手法により効率化を実現し、直近5年間で売り上げは約20倍に成長したそうです。 この急成長の裏には興味深い数字があります。ラクスルは2018年の東証マザーズ上場前までに、事業拡張のため累計79億円を資金調達しましたが、その約6割にあたる50億円をマーケティングに投資していたのです。なぜここまで巨額の投資に踏み切ることができたのでしょうか。そして、なぜ印刷、物流、広告という巨大市場の新規参入に成功できたのでしょうか。 今回は、ラクスル取締役CMO/アドプラ事業本部長の田部正樹さんに、会社の急成長を支えたマーケティング戦略と、今求め