「ポカリスエットプール」「ネスカフェプール」「味ぽんプール」「ビックリマンプール」……。誰もが知るブランド名を冠した屋外プールが、日本各地にあるのはご存じだろうか。いずれも、ホテルチェーン「アパホテル」に設置されている。創業以来、51年連続で黒字経営を続けてきたアパグループ(東京・港)が、特に黒字化に苦戦したのが「アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉」だ。中でも「屋外プール」は最後まで赤字だった。そこで発想を転換。プールをメディア化し、企業名を冠するという広告事業で黒字化に成功した。 「宿泊も赤字、レストランも赤字、テナントも赤字、コインパークも全部赤字」。アパグループの元谷拓専務は当時を振り返る。 2005年、アパグループは「幕張プリンスホテル」を西武鉄道から132億円で買収し、「アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉 」とした。当時は、宿泊やレストランなど、あらゆる部門の収支が赤字だった