東日本大震災13年に合わせ、河北新報など読者参加型の調査報道に取り組む全国20の地方紙が実施した読者アンケートの自由記述に、バス高速輸送システム(BRT)の運行状況を尋ねる声があった。震災で被災したJR気仙沼線と大船渡線の代替手段として導入されたBRTは、ローカル線の存廃が議論される中、注目が集まる。被災地の足としてどのように利用されているのかを探った。 (編集局コンテンツセンター・吉江圭介、藤沢和久、気仙沼総局・藤井かをり) 高校生は通学、お年寄りは通院に利用 宮城県気仙沼市本吉町の石川イネ子さん(80)にとって、気仙沼線BRTは日々の暮らしに欠かせない存在となっている。 通院先の気仙沼市立病院は自宅から約16キロ離れている。5年ほど前に運転免許証を自主返納したため、病院への行き来はもっぱらBRTが頼りだ。眼科や買い物に行くのもBRTを使っている。 線路跡の専用道を中心に走るBRTは渋滞