10年間、映像で紡がれてきた『進撃の巨人』の幕が閉じた。突如現れた巨人によって存続が危ぶまれる人類。生き残った人々は壁の中に住んでいたが、ある日それは破壊され、侵入してきた巨人によって目の前で少年の母親は食い殺される。アニメ史上最も残酷でセンセーショナルな第1話の一つとしても知られるこの描写に限らず、これまで作品内で描かれてきた展開における驚くべき真相が、先日放送された『「進撃の巨人」The Final Season 完結編(後編)』(以降、「最終話)」)で明かされた。そこで改めて作品のメッセージとともに、やや難解だった最終話で何が描かれたのか。その意味を考えてみたい。 製作陣の“本気”が映し出された傑作として 兎にも角にも、本作の内容を語る前に制作陣の素晴らしい作画と演出を称賛したい。アニメオリジナルの描写、作者・諫山創自身の改訳も含め、本当に多くの人が気持ちを乗せた“本気”さをただただ