2000年代半ば以降、インターネットで定額の葬儀プランを売り出す仲介業者が続々と参入し、葬儀の価格破壊が起きている。そのあおりを受けているのが、既存の葬儀業者だ。 ネット業者が参入する前の葬儀は、喪主や家族が自分で葬儀業者を選ぶことは少なく、お寺や町内会、病院を通して紹介されるのが主流だった。葬儀の価格や内容は比較しようがない。ゆえに明細を提示しない業者もいるほど、どんぶり勘定がまかり通っていた。 「20年前はひどかった。依頼者の家柄を見て、『あの家だったら300万円でも払う』『会社の取締役の家だぞ、もっと取れるはずだ』なんて言葉が飛び交っていた」と神奈川県の葬儀業者は当時を振り返る。 ネット業者の登場で低価格化が進んだ 不透明な葬儀価格は、消費者の不信感を招いた。そこに登場したのがネットの価格比較サイトや、料金が明瞭な定額プランを売りにするネット仲介の業者だ。価格が見える化され、葬儀の低