今から10年前の2012年、凱旋門賞の最後の直線で先頭に立ち、日本馬の悲願達成に限りなく近づいたのがオルフェーヴルだった。個性的な走りで「金色の暴君」とも称されたスターホースは、他馬を突き放し一度は先頭に立つも突如失速し内側に斜行。1着ソレミアからクビ差の2着に終わり、日本の競馬ファンは涙を呑んだ。 その勇姿を現地で見守り、実況したのが関西テレビ岡安譲アナだ。10年後の今、古馬GIレースの実況を担当し、カンテレ競馬のYouTubeチャンネルではオルフェーヴルの仔・メロディーレーンを追いかけまくっていることでも知られる名物アナは「アナウンサー人生の中で最も印象に残るレースですが、これまで語って来なかった」という。初めて明かされる10年前の決戦の舞台裏とは。 今回は、Number1051号「ダービーから世界へ」で行ったインタビューに、掲載しきれなかった内容を盛り込んだ「完全版」をお届けする。