親心とか球界活性化とか、無理に美談にする必要はない。ロッテは澤村が欲しかった。巨人にとって澤村はどうしても必要というわけではなかった。おそらくそれだけのことだ。だからこそ、「欲しい」に即座に応えた澤村のピッチングは見事だった。 巨人からロッテに電撃移籍した澤村は8日の日本ハム戦の1点リードという大事な場面で登板。捕手の田村がファウルフライを落球してもあわてず、気合満点の投球で3者連続の空振り三振を奪った。ジャイアンツ球場での退団挨拶からオンライン入団会見と続いた怒涛の一日を見事にハッピーエンドにしてみせたのだ。 実績があるとはいえ、つい先日まで3軍調整していた澤村。緊迫した局面でいきなり使うことは井口監督にとっても大きなリスクだったはずだ。だが、もし首尾よく抑えれば澤村が自信と誇りを取り戻すきっかけになる。さらに、チームとしてあなたにこれだけ期待しているし、これぐらいはやってくれると思って