(なかむら・かおり)2006年、金融庁に入庁。2020年7月より現職で金融経済教育を担当。高校や大学を中心とする出張授業や授業用動画教材の作成、小学生向けのコンテンツ作成のほか、安定的な資産形成の促進の一環として「つみたてNISA」の普及促進などに取り組んでいる。 改訂の背景にある、成人年齢引き下げとライフプランの多様化 ――まず、今回の高校家庭科の学習指導要領改訂では、「お金」に関してどのような内容が加わったのでしょうか。 中村:大きなポイントは家計管理の一部として、「資産形成」の内容が加わったことです。 これまでの家庭科の「お金」に関する内容は、どちらかというと消費生活における注意点に主眼が置かれていました。分かりやすく言うと、「買い物をする際にどのような点に気をつければよいか」「短期的にも長期的にも、収入と支出のバランスをとることが重要」といった内容です。 一方の新学習指導要領では、