脳の視床下部(茶色)にある「KNDy(キャンディ)ニューロン」という神経細胞が、更年期障害の症状である「ホットフラッシュ」の原因になっていることがわかった。更年期の女性が経験するホットフラッシュは、1日数回起こり、30秒から5分ほど続く。(ILLUSTRATION BY MY BOX, ALAMY STOCK PHOTO) 突然ののぼせやほてり、発汗、動悸、めまい、疲労、不安……。更年期を迎えた女性のほとんどは、こうした「ホットフラッシュ」をよく知っているはずだ。女性ホルモンであるエストロゲンのレベルが急激に低下して、月経や生殖機能が停止する更年期の女性のうち、約80%がホットフラッシュを経験しているという報告もある。 ホットフラッシュは体が熱を冷やすときの反応に似ているが、体温は実際に上がっているわけでなく、通常のままだ。名前からは快活な印象を受けるかもしれないが、実態はとても苦しい。こ