先ごろ、北朝鮮ウオッチャーが色めき立った。建国記念日の慶祝イベントに登場した少女が金正恩(キム・ジョンウン)総書記の娘ではないか? いや、金総書記の妹、与正(ヨジョン)氏の娘かも? さまざまな観測が飛び交ったのだ。真相は不明ながら、いかにも幸せそうな金ファミリーのハレの日のひとコマには見えた。核・ミサイル開発に拍車をかける強硬姿勢との落差に戸惑うばかりだが……。 際立つカメラワーク その少女が現れたのは9月8日夜、平壌(ピョンヤン)は万寿台(マンスデ)の特設野外ステージで開かれた建国74年を祝う音楽公演だった。正恩氏は李雪主(リ・ソルジュ)夫人を伴い、観覧していた。テーブルにはシャンパングラスが置かれ、くつろいだ雰囲気だ。会場は立すいの余地もない。プログラム後半、新人女性歌手、チョン・ホンランさんの熱唱に続き、大勢の子供たちが飛び出してきた。歌ったのは「はためけ共和国旗、私たちの三色旗」。