「若手人気俳優が地上29メートル、マンションの9階から転落したが、特に後遺症もなく回復しその後19年間活動している」 映画やドラマでそんな脚本を書いたらおそらく「ふざけるな、そんな荒唐無稽な話があるか」とプロデューサーに突き返されるだろう。だが、これは現実に起きた事故で、その渦中にいたのは俳優の窪塚洋介だった。 ほとんど「現代の怪談」のような顛末 当時を知らない若い世代は「落下途中で木やロープに引っかかって助かったのか」と思うかも知れない。筆者はこの記事を書く前、事故当時のマンション現場を訪れたが、当時も今も、わずか高さ1メートルのフェンスをのぞけば、マンションの周囲にクッションになりそうなものは何もない。 これほどの高さから落ち、重傷を負いながら、なぜほとんど後遺症もないように見える復活を遂げたのか? 分からない。 事故当時、一命を取り止めたというニュースに安堵しながら、その体に残る重い