俳優の橋本愛が、恋人を殺して愛を貫こうとした女を演じる。新宿歌舞伎町で実際に起こったホスト刺傷事件にインスパイアされた映画『熱のあとに』が、2月2日から公開される。第28回釜山国際映画祭では大盛況で迎え入れられた話題作。映画『ここは退屈迎えに来て』(2018)以来の映画主演となる橋本が、本作の撮影を振り返りながら、気合いを入れたいときに聴く“戦闘曲”も明かす。 言葉と濃密に向き合った、初めての経験 ──橋本さんが演じた沙苗は、笑顔を封印した重苦しい表情が続くキャラクターでしたね。 沙苗は心の中でずっと泣いているような女性なので、演じている私も撮影中はずっとつらい気持ちが継続していました。最初はセリフにある言葉の意味をそのまま感情や表情に乗せてみようと思いましたが、山本英監督から「もっと夢の中にいるような感覚で」という指摘がありました。それを受けて沙苗は抱えている感情と出力されるものにズレが