「トヨタを購入する前に躊躇しませんでしたか?」 「わたしはその日本車が気に入っている。なんの含むところもない。いい製品だし、理想どおりだった。だから購入したのだ」 「おかしな気分にはなりませんでしたか?」 「全くならなかった。わたしは日本人に敵意を抱いたことは一度もない。われわれの敵は体制だった――当時の日本政府という体制だったのだ。 だが、一般の日本人に対して悪感情を抱いたことなど、一度もない」 (ボブ・グリーン『デューティ』光文社、2001) こんばんは。なぜ中学校の先生は、あるいは高校の先生は、この本を勧めてくれなかったのだろう。そう思うことがしばしばあります。今回紹介するボブ・グリーンの『デューティ』もそういった類いの一冊です。猪瀬直樹さんの『昭和16年夏の敗戦』や『昭和23年冬の暗号』と同様に、 義務教育段階で読みたかった。 ボブ・グリーン 著『デューティ』読了。広島に原爆を落と