7年ぶりの続編となる「半沢直樹」。前作は計画倒産や脱税で不正蓄財に及んでいた会社社長のハワイの別荘などを国税局と銀行のどちらが先に差し押さえるかが見ものだった。その後、税の徴収制度はどう変わったか。 徴収権限が及ぶ範囲 前作はあくまでフィクションであり、差押えのスピード感も現実離れしていたものの、国税局が目指す税徴収の方向性とは合致していた。 すなわち、国税局は、国税徴収法に基づき、財産の差押えや換価などにより、滞納者から税を徴収している。 ただ、この法律の効力は、わが国の行政権の及ぶ地域内に限られる。不動産の場合、その所在地がどこかにあるかで決まる。 したがって、前作で描かれていたように、わが国の国税局がハワイなど国外にある滞納者の不動産を自ら差し押さえ、換価することなどできない。 「徴収共助」の活用 しかし、国外に巨額の資産を隠匿しているのに、ここから税を徴収できなければ、税負担の不公