並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 8 件 / 8件

新着順 人気順

谷口功一 現在の検索結果1 - 8 件 / 8件

  • 「夜の街」の憲法論―飲食店は自粛要請に従うべきなのか

    夜の街に賑わいが戻るのはいつになるのか…?(画像はイメージです) 度重なる緊急事態宣言による営業自粛や時短の要請で「夜の街」は壊滅的な打撃を受けている――そもそも従う必然性はどこにあるのだろうか。長年、スナックを研究している東京都立大学法学部教授・谷口功一氏は、かつて憲法学と法哲学の間で行なわれた「二重の基準」論争にヒントがあると語る。 ※本稿は『Voice』2021年7⽉号より抜粋・編集したものです。 左派三紙の唖然とする憲法特集 5月3日の憲法記念日、もう20年以上、個人的な恒例行事になっている新聞全紙購入をしてきた。 2015年の「集団的自衛権祭り」の際には異様な盛り上がりを見せた憲法論議も、その後、憑き物が落ちたように低調化し、ここ数年は、各紙、おざなりな内容の企画が続くことも相まって、この恒例行事も苦痛になってきていたのだが……。 折しも3度目の緊急事態宣言が発令され、とうとう外

      「夜の街」の憲法論―飲食店は自粛要請に従うべきなのか
    • 「若者は耐えろ」でも「高齢者は死ね」でもない社会をつくる――コロナ禍と世代間の公平性:谷口功一 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

      コロナ対策において、「行動制限」は費用対効果が低いと指摘されながらも、何度も繰り返された。高齢者のゼロリスクのために、生産年齢人口に相当する世代が大いに割を食ったと筆者は指摘する。コロナ禍で覆い隠された「少子高齢化社会」「ウェルビーイング」の問題に改めて向き合う(この記事の前編は、こちらのリンク先からお読みいただけます) 費用対効果の低かった「行動制限」 「世代間の公平性」の問題を考える上で有益と思われる本を紹介しておきたい。ちょうどコロナ下の最初の年、2020年度にゼミ生たちとアメリカの法学者・サンスティーンの『恐怖の法則』という本を読んだ。この本はリスクに対する政策のあり方を論じたもので、ゼロリスクを志向する「予防原則」は必ず立ちゆかなくなるものなので、リスクを計算してバランスを取る「費用便益分析」の考え方を採用することの重要性を説いている。この本自体はパンデミックを主対象としたもので

        「若者は耐えろ」でも「高齢者は死ね」でもない社会をつくる――コロナ禍と世代間の公平性:谷口功一 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
      • コロナ後の夜の街のために スナックという可能性:時事ドットコム

        6474軒が消えた 筆者の谷口功一さん(谷口さん提供)【時事通信社】 「夜熟睡しない人間は多かれ少なかれ罪を犯している。彼らはなにをするのか。夜を現存させているのだ」と言ったのはフランスの或(あ)る思想家だが、この文学的な一節はコロナ下では、これまでとは全く違った印象を残すものとなってしまった。言うまでもなく、われわれは未(いま)だ夜も更けきらぬ20時以降、家の外で他人と食卓の歓談を楽しむことも許されなくなったのである。 6474軒―これが何の数字だか分かるだろうか。実は昨年4月19日から今年2月末までに廃業したスナックの数なのだ。2020年のコロナ禍の拡大以降、夜の街は冒頭に記した通り「罪深い」ものとして糾弾され続け、息も絶え絶えになっているわけだが、今日はその中でも、日本中のどんな小さな街にも存在するスナックについての話をしたい。なお、ここでいうスナックとは、おおむねカウンターのある小

          コロナ後の夜の街のために スナックという可能性:時事ドットコム
        • 若者と高齢者に等しく「行動制限」を強いるべきだったのか?――コロナ禍と世代間の公平性:谷口功一 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

          モニタ越しの一方的な授業、新たな友人との出会いもなく、思い描いていたキャンパスライフとはほど遠い生活を強いられた大学生も少なくなかった(写真はイメージです) コロナ下で課せられたさまざまな行動制限は、若い世代の生活に暗い影を落とした。命を救うためという旗印のもと、一律に制限を課すことは果たして「正義」なのか。「世代間の公平」について法哲学者が改めて問う。 青春時代をコロナで塗りこめられた若者たち 〈 僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない〉 ポール・ニザンの小説『アデン、アラビア』の冒頭を飾る言葉である。池澤夏樹はこれをカミュ『異邦人』冒頭の〈きょう、ママンが死んだ〉と並べ、20 世紀フランス小説の中で最も有名な二つの書き出しと評している。 学歴社会フランスの頂点に立つ高等師範学校(École normale supérieure)でサルトルとも同室だった

            若者と高齢者に等しく「行動制限」を強いるべきだったのか?――コロナ禍と世代間の公平性:谷口功一 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
          • 夜の街に集う権力者たち...地方のスナックがもつ“公共圏”としての顔

            写真:吉田和本 コロナ禍で苦境に立たされた日本の「夜の街」。現在もなお厳しい状況が続く水商売の業界だが、スナックは公共圏としての役割を担う貴重な場所であるのは明確だ。とくに地方都市のスナックに訪れてみれば、経済のみならず政治や社会の変化までわかるという。 本稿では、日本銀行前副総裁の若田部昌澄氏、そして東京都立大学法学部教授の谷口功一氏による「日本の水商売」についての対談を紹介する。 ※本稿は『Voice』2023年7⽉号より抜粋・編集したものです。 いまも続く厳しい現実 【若田部】谷口先生のご新著『日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く』(PHP研究所)をたいへん面白く読ませていただきました。私は本誌『Voice』に連載されていたときからの熱心な読者でしたから(連載時のタイトルは「コロナ下の夜の街」)、今日は直接お話しできるのを楽しみにしていました。 じつは、本書を読むのにはとても時間がか

              夜の街に集う権力者たち...地方のスナックがもつ“公共圏”としての顔
            • 2021年の本 - Valdegamas侯日録

              年末に今年の新刊本の振り返りをするのが個人的な恒例行事となって久しい。今年は多少自分なりに分野という脈絡をつけて扱うこととした。 ■外交史 外交史というより防衛・安全保障政策史というカテゴリがふさわしいが、まず取り上げたいのは真田尚剛『「大国」日本の防衛政策―防衛大綱に至る過程 1968~1976年』(吉田書店)と千々和泰明『安全保障と防衛力の戦後史1971~2010―「基盤的防衛力構想」の時代』(千倉書房)の二冊である。1976年に初めて策定された「防衛計画の大綱」の策定過程、そして同大綱の基本的考え方として、その後の度重なる改定の後も維持された「基盤的防衛力構想」の実態をそれぞれ分析したものである。 1980年代から2000年代初頭まで、大嶽秀夫『日本の防衛と国内政治』、広瀬克哉『官僚と軍人』、室山義正『日米安保体制(下)』、田中明彦『安全保障』、佐道明広『戦後日本の防衛と政治』など、

                2021年の本 - Valdegamas侯日録
              • 自由と幸福の相克を乗り越えられるか | 大屋 雄裕 | 政策シンクタンクPHP総研

                No man is an island, entire of itself; every man is a piece of the continent, a part of the main ――John Donne, MEDITATION XVII. なぜ民主政か(Why democracy?)。 この問いは、民主政が崩壊した末に悲惨な敗戦を迎えたわが国の戦後においては、アクチュアリティをもたなかったかもしれない。われわれはすでにそれ以外で一度失敗しているし、さらにいえば、その際に勝者が採用していたモデルこそ民主政に他ならない。だとすれば、その優位性はすでに証明されている自明のことなのだ、と。 だがその正統性は、この10年程度の世界状況のなかで揺らぎつつあると考えるべきだろう。経済的に急速な発展を遂げた中国は、外交・防衛の面でもその存在感を増し、アメリカの覇権に挑戦しつつある。その中国

                  自由と幸福の相克を乗り越えられるか | 大屋 雄裕 | 政策シンクタンクPHP総研
                • 「夜の街」の憲法論―飲食店は自粛要請に従うべきなのか

                  夜の街に賑わいが戻るのはいつになるのか…?(画像はイメージです) 度重なる緊急事態宣言による営業自粛や時短の要請で「夜の街」は壊滅的な打撃を受けている――そもそも従う必然性はどこにあるのだろうか。長年、スナックを研究している東京都立大学法学部教授・谷口功一氏は、かつて憲法学と法哲学の間で行なわれた「二重の基準」論争にヒントがあると語る。 ※本稿は『Voice』2021年7⽉号より抜粋・編集したものです。 左派三紙の唖然とする憲法特集 5月3日の憲法記念日、もう20年以上、個人的な恒例行事になっている新聞全紙購入をしてきた。 2015年の「集団的自衛権祭り」の際には異様な盛り上がりを見せた憲法論議も、その後、憑き物が落ちたように低調化し、ここ数年は、各紙、おざなりな内容の企画が続くことも相まって、この恒例行事も苦痛になってきていたのだが……。 折しも3度目の緊急事態宣言が発令され、とうとう外

                    「夜の街」の憲法論―飲食店は自粛要請に従うべきなのか
                  1