米軍の下請として武力参戦を可能にする安保法制に対する国民的な憤激の高まりは、第2次大戦から70年続いてきた対米従属構造に対する歴史的な怒りを伴って発展した。本紙はこの間、東京に原爆展キャラバン隊を派遣し、都民の中に渦巻く東京大空襲の経験とその怒りをつかむことに力を入れてきた。そこから見えてきた東京大空襲の真実はあまり知られていないむごたらしさに加え、今日の対米従属構造に繋がる徹底したものであった。安保法制まできた戦後政治の根源としての東京大空襲の全貌を、キャラバン隊メンバーと本紙記者による座談会で描いた。 無傷だった皇居、財閥、軍施設 司会 東京での原爆展キャラバン活動では、都民から東京大空襲の体験が堰を切ったように語られた。1晩にして10万人が殺された世界的にも類を見ない大惨事であったにもかかわらず、70年目を迎える今も公の慰霊碑も記念館もないことを痛切に訴えてくる人が多かった。東京都民