<区議選で民主派が圧勝したが、再びデモ隊と警察との衝突が発生。香港はこれからどうなるのか。デモ参加者たちが何のために戦ってきたか、それぞれの本音を聞いた本誌「香港のこれから」特集より> 香港で逃亡犯条例改正案に反対するデモが始まって6カ月。身の安全を守るため、デモ参加者のほとんどはマスクで顔を隠してきた。 時に暴徒と非難されながら、彼らは何のために戦ってきたのか。その素顔と本音を香港人の写真家・ジャーナリストが伝える。 本誌12月3日号(発売中)「香港のこれから」特集で取り上げた、15人のデモ参加者による「仮面の告白」。その1人をここに掲載する。 断食抗議をした老人 陳基裘(73) 市民の要望に対して、この政府が無関心なのは昔から分かっている。100万人、200万人規模の平和なデモに応えなかったのに、私たち十数人の断食抗議を相手にするわけがない。断食の本当の目的は、命の大切さを若者に伝える