設備の老朽化などで今年3月、無期限で営業を休止した志摩マリンランド(三重県志摩市)から、大量の蔵書や標本が次々と新天地へと旅立っている。半世紀にわたる「知の集積」。引き取った施設の関係者らは「公開して役立てたい」と話している。 マリンランドは、マンボウやペンギンなど飼育していた約500種7千点の生き物を他の水族館へ引き取ってもらっており、その作業は終わりつつある。さらに、蔵書や標本などについても、無償譲渡を進めている。 鳥羽市立海の博物館は、海洋、科学の分野の書籍を中心に、マリンランドから2万冊を超す蔵書を受け継いだ。マリンランドが開館した1970年から毎号購入してきた科学雑誌。漁業者や研究者向けの専門書の中には50、60年代のものもある。さらには、欧米や韓国、中国といった海外の書籍も。歴代の館長が、生き物ごとに調べてまとめたファイルもある。 廃棄されると聞き、平賀大蔵館長が各部署と調整し