今の時代、編集者は本当に必要なのか? SNSはさまざまなモノの価値観を一変させた。漫画業界もそのひとつ。漫画賞に応募せずとも、出版社に持ち込まずとも、SNSを活用すれば最短ルートで漫画家になることも夢ではない。その結果、存在価値が揺らぎはじめたのが編集者という職業だ。 「編集者不要論」がささやかれる時代、真っ向から異なる価値観で対峙している漫画誌のひとつに『週刊少年ジャンプ』がある。編集者による新人育成を重視し、少年漫画さながらの熱量で、歴代の連載作家&編集者たちが培ってきた「『ジャンプ』らしさ」を徹底して叩き込む。今なおヒット作を多数生み出している、日本一売れている雑誌だ。 そこで『週刊少年ジャンプ』編集部の杉田 卓に、大ヒット作品を生み出し続けている『ジャンプ』流の編集術についてインタビュー。その内容を紐解いていくと、編集者と漫画家のあいだにある、もっと深い関係性が見えてきた。撮影/新