福島県二本松市内油井の旧奥州街道沿いには詩人の高村光太郎の妻であり、詩集「智恵子抄」で知られる高村智恵子の生家と記念館があります。 智恵子は福島県安達郡油井村の大きな造り酒屋を営む長沼家の長女として生まれ、油井小、福島高女を経て東京の日本女子大学に進学しました。 智恵子の生家の表玄関には屋号である「米屋」と酒の銘柄「花霞」の看板が掲げられていて、軒には新酒の熟成を伝える杉玉が下がっています。 これは、昭和4年に長沼家が破産し人手に渡ってしまった家屋や土地を平成初めに旧安達町が買収し、明治初期の建物を修復、保存したものです。 智恵子が愛聴したベ-ト-ベンの「田園」が室内には流れており、1階2階を合わせると18間もあるという重厚な町家造りです。智恵子の居室は2階の2間でした。智恵子が実際に使っていた琴や蓄音器、はた織り機もあります。 日本女子大学在学中に油絵を描き始めた智恵子は大学卒業後に、大