追悼・志村けん 去る3月29日、新型コロナウイルスによる肺炎で突然の他界をした志村けん氏。1974年にドリフターズに加入して以後のキャリアは、老若男女を通じて「知らぬ者などない」という言葉がそのまま当てはまります。ですが、コメディアンとして半世紀近くにもわたって第一線で活躍し続ける一方で、音楽通としての横顔も持ち合わせていた、しかもそれがかなりのマニアックなものだった、というのはご存知でしょうか。なんと彼は、商業誌で専門家の一人として、洋楽の新作アルバムのレヴュー原稿を執筆していたのです! 執筆された原稿を読んでみると、確かな知識によって裏付けされた分析/評価は、40年を経た今もあまり変わらないことがわかります。文章ではお笑いタレントとしてのキャラクターを保ちつつ、プレイや録音に関して記述する部分などは、専門家の文章とほとんど遜色がありません。当時の担当者も、実際に届いた原稿を読んでそのク