「太った豚よりも、痩せたソクラテスであれ、というけれど……、あれ、ソクラテスって太ってなかったっけ?」 哲学者・神崎繁が残した知的ユーモアあふれるエッセイ集。 (神崎繁さんは2016年に63歳で病死されたそうです。) 目次は、「人生のレシピ」「古代を読み解く」「思考のためのレシピ」と大きく三つの項目に分かれていて、徐々に難しい内容になっていた。 最初の、軽いタッチで書かれたエッセイ「人生のレシピ」での様々な章が面白く心に残った。 う~ん、なるほどなるほど、と思わせられるためになる事柄や考えが多く、そのいくつかを備忘録としてまとめておきます。 ・ソクラテスは太っていたか? それについての著者の考えは、 ソクラテスが太っていたかどうかは両方の証言があるので分からないが、冬の凍てついた戦場で素足で歩いたり、また戦友を救ったという逸話や、質素な食事に満足し、 「食事の美味しさは、料理法よりも健康に