他者 ―― 意味の他者 ―― は、固定された論理空間のもとでは姿を現さない。たとえ他者との出会いによって新たな論理空間が私のもとに開けたとしても、そこに位置づけられ理解された他者はもはや他者性を失った残滓でしかない。他者の他者性は論理空間の変化の内にのみ、現れてくる。それゆえそれは固定された論理空間の内部で語りきれるものではない。では、『論考』がそう結論したように、私は沈黙せねばならないのだろうか。 いや、そうではない。 沈黙は何も示しはしない。私は語るだろう。ひとつの論理空間のもとで語り、他者に促され、新たな論理空間のもとでまた新たに語る。この語りの変化こそが、他者の姿を示すに違いない。 (野矢茂樹 『他者の声 実在の声』産業図書、2005) おはようございます。先日、同僚の結婚式がありました。4年生、5年生、6年生と、持ち上がりで同じ学年(2クラス)を組んでいる同僚です。結婚、おめでと