一流企業をやめてホースマンに 『武豊、GⅠコンプリートに王手!!』 昨年の暮れ、朝日杯フューチュリティS(GⅠ)をドウデュースが制した翌朝、そんな見出しが躍った。 これでデビュー以来3戦3勝。JRA賞最優秀2歳牡馬の最有力候補となっているこの若駒を担当するのは前川和也。1976年8月生まれで現在45歳の彼は、過去にも多くの名馬に関わってきた。 朝日杯のパドックでのドウデュースと前川 香川県の「人より猿の方が多い」(前川)という片田舎で、2人兄弟の長男として育てられた。競馬とは無縁の家庭だったが、中学生の頃にみたテレビ中継で興味を抱いた。高校3年の時、家人に「大学受験」と言って姫路競馬を見に行った。 「小牧太さんがまだ公営で乗っている頃で、格好良いと思い、自分も馬に乗ってみたいと考えるようになりました」 早速、乗馬を始めた。大手ビール会社に就職したが、すぐに辞めて北海道の牧場で働き出した。