台風が襲来した夜、中学生たちは学校に閉じ込められた。彼らは日ごろの感情を爆発させる。 相米慎二監督(加藤祐司脚本)『台風クラブ』(1985)は中学生たちや彼らを取り巻く教師などのあやうさをクールかつ鮮烈に描いた傑作である。4Kリマスターが行われ、2023年10月にリバイバル上映と黒沢清監督のトークイベントがあった(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。 【『台風クラブ』について (1)】 黒沢「相米さんとは個人的には親しくしていたんですが、どうしてあんな映画を撮っていたのか、ぼくも判ってしないところがあります。4K版をチェックさせていただいて、こんなにいろいろよく見える映画だったんだと驚きではありました。昔はフィルムで映画館で見ているわけですが、冒頭のプールのところや、台風が来るのは夜ですからぼんやりして蛍光灯