「日本は人口減少と負債増加が同時に起こっており、今適切な対処をしなければ、日本の存在自体が危ぶまれるかもしれない」と、世界三大投資家のひとり、ジム・ロジャーズ氏は警鐘を鳴らします。同氏の最新著書『「日銀」が日本を滅ぼす』より、危機の正体を解説します。 【グラフを見る】日本は合計特殊出生率が急速に低下している ■長期にわたる低金利政策は世界的に見ても“異常” 日本の低金利政策の影響について考えたい。金利が正しくないというのは、歴史上よくあることだ。しかし、日銀の金融政策が間違っていたのは、長期間にわたって続けてきた点である。 日本のように、低金利政策が35年近くもの長年にわたって続くという状況は、世界的に見てもこれまでに例がなく、間違いなく“異常”な状況、政策だと断言できる。 言い方を変えると日銀は、他国の中央銀行とは異なるアプローチを取ってきたのである。災害後など特別な状況に、短期的に低金