文芸評論家の馬場あき子は5種類に分類している。 民俗学上の鬼で祖霊や地霊。 山岳宗教系の鬼、山伏系の鬼、例:天狗。 仏教系の鬼、邪鬼、夜叉、羅刹。 人鬼系の鬼、盗賊や凶悪な無用者。 怨恨や憤怒によって鬼に変身の変身譚系の鬼。 「鬼」(キ) という漢字の原義は「死者の魂」である。例えば、餓えた死者の魂を「餓鬼」、死者の魂が泣き喚くことを「鬼哭」という。現代日本語の「オニ」も、「鬼」の原義である「死者の魂」として用いられる例もあり、海外で死ぬことを「異国の鬼となる」「異境の鬼となる」と表現する。 馬場によれば、元々は死霊を意味する中国の鬼が6世紀後半に日本に入り、日本に固有で古来の「オニ」と重なって鬼になったという。ここでいう「オニ」とは祖霊であり地霊であり、「目一つ」の姿で現されており、隻眼という神の印を帯びた神の眷属と捉える見方や、「一つ目」を山神の姿とする説(五来重)もある。いずれにせよ