いま、「子どもの口」が危機にさらされている。 口周りの筋肉や「噛む力」が弱く、本来の口の機能を持たない子どもが増えているという。子どもが10人いれば、そのうち3人はリスクを持っている、という報告もある。大人が真剣に考えるべき問題なのだが……。 増加する「口の虚弱」 「フレイル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。 加齢などによって、歩行速度が遅くなる、すぐに疲れる、活動性や筋力の低下、体重減少などの症状や現象があらわれた「虚弱」の状態をさす言葉。これが進行すると「要介護」が近づくとされる。 フレイルは全身の虚弱をさす言葉だが、「口の虚弱」に限定した時に使われる言葉に「オーラルフレイル」がある。 固い食べ物を嚙み切れない、液体を飲むとむせやすい、いつも口を開けているので口の中が乾いている――などの典型的な症状があるが、これを放置すると「口腔機能低下症」という病名が付く段階に移行することにな