アニメ監督・黒柳トシマサのルーツをたどるインタビュー連載の第2回では、演出の師にあたる存在であり、黒柳監督の代表作『舟を編む』にシリーズ構成として参加していた佐藤卓哉氏の監督デビュー作を取り上げる。そこから学んだ「ポエム」とは? ――2本目は『NieA_7(ニア アンダーセブン)』です。こちらを選んだ理由は? 黒柳 僕が大学生になって上京したタイミングで放送が始まって、最初はたまたま見たんです。そうしたら、何かわからないけどぐっと心をつかまれてしまった。それまではジブリのような雰囲気のアニメばかりを追いかけていたのに。 ――SF要素のあるけっこうはっちゃけたコメディで、テイストがまた違いますよね。 黒柳 「予備校生」「貧乏」「なんか面白い宇宙人がいる」っていう要素でできている世界観ですからね(笑)。でも、ただハチャメチャで面白いだけのアニメかというとそうではなくて、ときどき胸がしゅんとする