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Blue Daysの検索結果1 - 4 件 / 4件

  • 「PERFECT DAYS」を観てきた。 頭から離れなくなる映画だった。 vol.3〈完結〉 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの本 257 そして翌朝のラストシーンがくる。 清掃するトイレの待つ、渋谷区へ向かう車中の平山のアップ。なぜ平山さんは目に涙をためるのだろうか。泣き笑いのような表情になるのか。感情がせわしなく行き来しているように見えるのだろう。 本当に、自らの生活をみじめだと感じているからだろうか。私はそのようには思えなかった。平山の日常で直前に起こったことといえば、姪のニコや、妹・ケイコとの再会だ。そして、小料理屋のママの元夫・友山との出会い。それにより、平常は「いま・ここ」のもたらす静かな幸福を感じているであろう平山の心は過去や未来を行き来しだす。 過去にあった実家との揉めごと。浮かび上がるいくつかの場面。父親との激しい応酬。受けた心の傷。その父親もいまはホームにいるという。親を100パーセント憎める子どもなどいない。愛憎相半ばするから苦しい。それは涙もにじむだろう。 姪っ子の

      「PERFECT DAYS」を観てきた。 頭から離れなくなる映画だった。 vol.3〈完結〉 - Blue あなたとわたしの本
    • 「PERFECT DAYS」を観てきた。 頭から離れなくなる映画だった。 vol.1 - Blue あなたとわたしの本

      Blue あなたとわたしの本 255 映画「PERFECT DAYS」をもう観られただろうか。あなたがどういった感想を抱くのか、とても興味がある。もしまだ観られていなかったら──ネタバレもこれから書いていくので──鑑賞後にこの文章を読んでもらってもいいのかもしれない。 真っ白な状態で映画を観てみたいとお考えなら。 役所広司演じる平山さんの最後のあのシーン。 車中、正面からの大写し。その変化する表情の演技をどう解釈するかによって、観た人の持っている価値観・人生観が浮き彫りになるようだ。 人によっては、「 平山は自らの生活をやはりみじめだと思っていた。だからラストで涙するのだ」と捉えるらしい。何人かからそういった感想を聞いた。私はそのようには受け取れなかった。 もちろん映画や小説の解釈は人それぞれだし正解はない(年齢や境遇によっても変わるだろう。この映画はとくにそうだと思う)。製作陣や作者には

        「PERFECT DAYS」を観てきた。 頭から離れなくなる映画だった。 vol.1 - Blue あなたとわたしの本
      • 映画「PERFECT DAYS」鑑賞記 ──人間にとっての幸福とは何か── - Blue あなたとわたしの本

        Blue あなたとわたしの本 258 本稿は先月投稿しました「『PERFECT DAYS』を観てきた。頭から離れなくなる映画だった。vol.1 vol.2 vol.3 」を1本にまとめ、若干の加筆修正を加えたものです。 映画「PERFECT DAYS」をもう観られただろうか。あなたがどういった感想を抱くのか、とても興味がある。もしまだ観られていなかったら──ネタバレもこれから書いていくので──鑑賞後にこの文章を読んでもらってもいいのかもしれない。 真っ白な状態で映画を観てみたいとお考えなら。 役所広司演じる平山さんの最後のあのシーン。 車中、正面からの大写し。その変化する表情の演技をどう解釈するかによって、観た人の持っている価値観・人生観が浮き彫りになるようだ。 人によっては、「 平山は自らの生活をやはりみじめだと思っていた。だからラストで涙するのだ」と捉えるらしい。何人かからそういった感

          映画「PERFECT DAYS」鑑賞記 ──人間にとっての幸福とは何か── - Blue あなたとわたしの本
        • 「PERFECT DAYS」を観てきた。 頭から離れなくなる映画だった。 vol.2 - Blue あなたとわたしの本

          Blue あなたとわたしの本 256 その後に起こる大きな出来事といえば、やはりこれだ。平山が恋心をいだいているであろうママのいる小料理屋(開店の少しまえの時間だろう)に行ったとき、見知らぬ男性とママが抱き合っているのをドアのすき間から見てしまう。平山は逃げるように走り去る。河川敷で缶ビールをあおる。ママと抱き合っていた男性がそこへ来るのだ。追いかけてきたものらしい。その男は元夫だった。難病におかされていて、余命いくばくもないであろうことが知れる。「あいつをよろしくお願いします」と男は言う。お願いします、と繰りかえす。 この場面は、リアリティがないように思えた人もいたかもしれない。だが 死を覚悟したとき、人はこれまでの人生で出会った大切な人たちに、もういちど会いに行きたくなるときがある。あやまりたくなるときが。ありがとうを伝えたくなるときが。その人たちが幸せでいてほしいと願うときが。心が透

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