「童貞」と聞いて人は何を思い浮かべるだろうか。その人の性別、年齢、童貞か非童貞か、によっても変わってくるだろう。けれど、鬱屈やフラストレーションのような、どちらかというとネガティブな言葉が浮かんでくるような気がする。しかし同時に、そこに脈々と息づくエネルギーがあることも想像できる。かつてフロイトは、すべての人間活動はリビドー(性衝動)が変形したもの、と言った。つまり、「ヤリたい」気持ちはすごいパワーを持っているんだぜってこと。 「恋と童貞」という雑誌をご存じだろうか。「乙女心より純情なドウテイ心をむやみに探求する」というテーマで2010年8月に自費出版され、文学フリマや模索舎(新宿)、タコシェ(中野)ほか、多くの書店で販売されているミニコミ誌である。まさに「ドウテイ心」というパワーが作り出した創作物! その気になる内容だが、特集「男子諸君! 恋文を書こうではないか。」では「ドウテイ心」を持
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