ぼくの守護天使のひとりが、ある時こう言った。 「長く生きたくなんて、ないんだもん。どう生きるかなんて、わたしが決めることでしょ、そろそろ死にたいのよ、そんなこと、勝手にさせてほしいの。」 ぼくも、そう思う、大いにそう思う。 命を、その周辺のなんだらかんだらを、とんでもない、いやトンを遥かに超える重みとして押し付けるのは、たいていは宗教やら偽善的な社会だったりして、本質的に生きるということに関して、そういう半ば邪悪な力が、それをさ、生きるということを圧倒的に捻じ曲げていると、ぼくは思っている。 一日の中で、小さな虫たちを何匹も殺すことがある。小さな小さな虫は、指先で押し付けるだけで、藻屑と消える。少し大きな虫だって、指先だけでもたやすく殺せる。 ぼくはずっとそのことを、少しだけ疑問に思っている。いや子供の頃は、そんなこと疑問になんて思いもしなかったよ。毎日毎日、蟻を指で押しつぶしたり、足で踏