法務省は来年度から、老朽化が深刻な全国の刑務所や拘置所、少年院など収容施設の建て替え・改築を本格化させる。 同省の調査によると、全国に300ある収容施設の48%にあたる144施設は、1981年以前の古い耐震基準に基づく建物だ。耐震診断さえも施設全体の1割しか終わっておらず、地震などに対してどのくらい危険かも把握しきれていない。 公的な施設の耐震化対策は、公立小中学校は92・5%、特別養護老人ホームなどの高齢者関係施設が92・4%完了している。刑務所などの耐震化対策は際だって遅れているといえる。 東日本大震災では、東北や北関東の刑務所で、天井の一部崩落などが起きた。このほかにも、逃走防止の塀に数メートルの大きな亀裂がある刑務所や少年院などが確認されている。同省は「地震などで建物が崩れれば、収容者の逃走や暴動につながりかねない」と危機感を強めている。