警察の見苦しい答弁 10余年前のある日。 仁川で労働運動をしていた先輩のお父さんが亡くなられたという知らせを聞いた。その当時、先輩は集示法(集会・デモに関する法)違反で服役中だった。先輩のお父さんはアルツハイマー症で、家を出たまま5~6年間も行方知れずになっていた。父親が家からいなくなった後、先輩や家族らは警察への申告はもちろん尋ね人のステッカーを張ったり、全国の養老院・療養院、アルツハイマー老人保護所など八方手を尽くして探し回ったけれども、結局は探し出すことができないままに監獄に行き、父親が亡くなった後で家に連絡がきた。 誰もが、けげんに思った。「どうして家に連絡が来なかったのか、と」。「保護所で亡くなった後、指紋捺印の確認をしてみて住所が分かった」というのが警察側の答えだった。 それならば存命のときに、指紋捺印の確認をしていたなら難儀しながら逝かれることはなかったのではなかろうか、とい