5日付の本紙朝刊1面トップに掲載された記事は、未知の事実を独自取材で掘り起こすと同時に、重要な問題提起も含む見事な特ダネでした。<衛星画像 捜査利用179回 警察庁、業者に1億円>。全国の警察が商業衛星などの画像を捜査に使っているにもかかわらず、活用実態や使途を明らかにしてこなかった、というのです。その購入回数は2020年度までの5年で実に179回、要した費用は1億円超――。 僕は通信社の記者時代に公安警察を担当し、その隠された実像を1冊のルポにまとめたことがあります(『日本の公安警察』講談社現代新書)。ただ、これは20年以上も前の話。デジタル技術などの飛躍的な進歩に伴って状況は激変し、公安部門をはじめとする警察組織がそれをどう活用しているのか気になっていました。