2023年4月18日、静岡新聞に掲載された中島忠男・論説委員長による『JRはけじめをつけよ』の論評。彼の論評を見てみると「事実誤認」が多く、「印象操作」ともいうべき説明が行われている有様である。 前編記事『「JRはけじめをつけよ」といきなり…川勝知事にベッタリな静岡新聞の深刻すぎる「論評の中身」』に引き続き紹介する。 論評の「印象操作」とは 中島記者の「誤報」、そして「印象操作」とは何か? それは川勝知事の「新たな」全量戻しの注文という文中に、『山梨県境付近の約10カ月間の工事期間中』という重要な一節を省いていることだ。『山梨県境付近の約10カ月間の工事期間中』の「全量戻し」が登場するのは、いまから4年ほど前である。10年も前にそんな話はなかった。 わかりやすく時系列でその流れをたどってみる。 2013年9月、JR東海は環境影響評価準備書で大井川上流部の流量が毎秒約2トン減少する試算を公表