「『見る』の開拓者たち」この連載では、眼科医や工学者、クリエイターなど、あらゆる分野で「見る」を探究している先駆者たちに話を聴き、「見る」ことの本質を紐解いていきます。vol.08の今回は、その卓越した技術と表現力から「奇跡の腕」とも称される盆栽職人・木村正彦さんにお話を伺います。 15歳で盆栽業界に飛び込んで以来、65年以上ひたむきに盆栽に向き合い続けてきた木村さん。それまでの盆栽界の常識を打ち破った「創作盆栽」と呼ばれる木村さんの盆栽は、日本のみならず、世界中の愛好家たちから絶大な支持を得ています。数百年もの間、脈々とその伝統を受け継いできた盆栽の世界で、なぜ木村さんは新たな表現に挑戦してきたのでしょうか? 山あり谷ありの人生や、世界中からやってくる弟子たちを育てつづける理由、盆栽の見方についてのお話を通じて、木村さんは新しい価値をつくるために挑戦をつづけることの難しさ、そしてその