読後に不気味な割り切れなさを残す推理小説・怪奇小説を表す用語、「奇妙な味」。今回は、この言葉の由来を解説しつつ、実際に「奇妙な味」に分類される小説3編をご紹介します。 2019/04/02 驚くようなトリックを持った本格的な推理小説ではないし、幽霊や妖怪がはっきりと登場するホラー小説でもない。けれど、読み終えたあとに独特の後味が残る……。みなさんは、そんな作品を読んだことはありませんか? 実はそんな作品のことを、“奇妙な味”と呼びます。今回は、小説用語である“奇妙な味”を解説するとともに、実際に奇妙な味わいを持った国内外の作品のあらすじをご紹介していきます! 「奇妙な味」という言葉の由来と、その定義 “奇妙な味”という言葉の名付け親は、日本の推理小説の大家・江戸川乱歩です。 今から二十年ぐらい前までは、西洋では、推理小説といえば、いわゆる本格推理小説ばかりであった。本格推理小説では、どうし