性教育が必要──多くの人がこの認識を持ちながらも議論が進まない理由のひとつに、“性”の何を教えるべきかついての足並みがそろわないことがあると感じています。月経の仕組み、避妊、感染症の予防のほかに「卵子の老化」が取りざたされるようになって以降は妊娠可能年齢を教えるべきだといわれますし、性暴力をなくすための教育をすべきという声もあります。 しかし「究極のコミュニケーションであり、強い快感をともなう楽しいもの」という性の一面を教えよう、という意見はあまり聞きません。性によって傷つき傷つけられない方法を習得することが大事である反面、性の“楽しい面”をどこでも習わないがためにその知識をAVに代表されるポルノグラフィに求めてしまうように見えます。 ■2000人に調査してわかった「快感の仕組み」 いうまでもなく、AVのみならずメディアにあふれる多くのアダルトコンテンツは“セックスの教科書”ではありません