ゴールデンウィークは、旅に出ようと思ってた。 でも、やっぱり出かけられなかった。なんか人が多そうだし、道も渋滞するし、疲れるだけだから。僕はベッドで、ずっとそんな言い訳を自分自身にしていた。だれに聞かれた訳でもなく…。 長い休みの2日目、実家の姉から電話があった。荷物が残ってるから取りに来るように、ということだった。実家を出るとき、部屋にあった物はキレイさっぱり処分したハズなのだけど。 とりあえず「あとで…」と曖昧な返事をして電話を切った。 捨てられたファミコン実家へ行くと、玄関の棚に古びたダンボール箱が無造作に置かれていた。中を見るとファミコンだった。 これは、間違いなく、30年前に母に捨てられた僕のファミコンだった。 (スマホのカメラ補正で白く映るけど、実際はものすごく黄ばんでいる) コントローラーに貼ってあるシールを見て思い出した。ファミ通という雑誌に付属していたシールだったと思う。