たばこの増税時に不正な在庫操作を行い、国と地方に納める増税分の計約1億8900万円を脱税したとして、パチンコ景品卸売会社「昭和商事」(東京都目黒区)と、武田智也社長(47)が、たばこ税法違反と地方税法違反の疑いで、東京国税局と東京都などから東京地検に告発されていたことがわかった。 同社は既に修正申告し、納付を済ませたとしている。たばこ税法違反での刑事告発は全国で初めて。 関係者の話によると、脱税に利用されたのは、2010年10月1日のたばこ1箱あたり70円の大幅増税。たばこ販売業者は、増税前に仕入れたたばこを増税後に販売する場合、税額が変わる当日の在庫数を税務署に申告し、在庫のたばこに課される増税分を国などに納めなければならない。 ところが、同社は増税当日に約5700万本の在庫を抱えながら、9割超の約5400万本について増税直前に100店以上のパチンコ店に一斉に販売したと偽り、約300万本