坂井南美さんは、生まれたばかりの赤ちゃん星、原始星の化学組成、特に有機分子を観測する中で、数々のブレイクスルーを成し遂げてきた。 冒頭で、「本音は、(宇宙の)はじまりから全部理解したい」けれど、「私たちの世界の物質的な起源、生き物が誕生するような環境がどうしてできたんだろう」「原子から分子ができて、複雑な分子ができて、いつか生命になったという化学組成の上での起源が知りたい」というモチベーションで、原始星の化学組成をさぐる電波天文学の世界へと足を踏み入れた。 では、そのような関心はどんなふうに培われて、深められてきたのか、最後になったけれど、研究に至る個人史をうかがっておきたい。 「私、いわゆる天文少女ではなかったんです。だから、『星座の何座はどこにある?』って聞かれても、そりゃあオリオン座ぐらいは知ってますけど、分からない方が多いです」 まずはそんなふうに笑いながら言った。 天文学者や宇宙

