200万人が訪れる祭りの最中、何十本もの釘が仕込まれた爆発物が暴発した――。2000年6月10日、北海道札幌市で行われていた『YOSAKOIソーラン祭り』で起きた惨事。多数の負傷者が出たにも拘わらず、何故捜査は打ち切られたのか? (取材・文/ノンフィクションライター 八木澤高明) 2000年6月10日の夜、第9回YOSAKOIソーラン祭りで賑わう札幌市中央区大通西六の大通公園のゴミ置き場で爆発が起こり、スタッフ10人が怪我をし、爆発物から1.5mほどの場所にいた1人が爆風を胸に受けて重体となった。事故があったのは、演武が終わった直後の22時半過ぎのことだった。爆発物には多数の釘が仕掛けられ、十数本が発見された。重体の学生の体内にも刺さり、腹部から入って左肺まで達していた。果たして、何者が爆発物を仕掛けたのか? 一時は国際的なテロという噂も出たが、仕掛けられた爆弾は、捜査本部の調べでは、身近