カチリカチリといつもの如くエンターキーを押しながら、耽美な時間に自らの全神経を預けていると、僕の肩からひょこりと小さな頭が突き出てきてこう言った。 「お父さん、何やってるの?」 僕の娘である。生まれてからこのかた、腕白の名を欲しいままにした幼少時代を過ごしてきた彼女は、小学校に通うようになってもその意気は衰えることを知らない。しかし時折見せるあどけない笑顔に含まれる女の子らしさは、妻の面影がうっすらと見え隠れするように可愛らしい。眉目の整ったかんばせは同年代のアイドル的存在であることを疑わせない確証を孕んでいる。 「ねえ、お父さん、この画面の女の子はなに?」 彼女に勝るとも劣らない可愛さを秘めた映像を、食い入るように見つめる彼女はおやと気付いて僕の下半身に目をやった。 「ズボンずり落ちてるよ。きゃはは」 娘は床に転がり腹を押さえて大笑いしはじめ、ひとしきり笑うと、満足したのかぴょんぴょんと