誰でも会社員を真面目に続ければ、豊かになり続けられる、という時代はすでに終わった。 社会学者の山田昌弘氏は著書「希望格差社会」の中で、「安定して生活の向上が見込めるサラリーマン」という身分の終焉について述べた。 旧来型の安定し、かつ、収入が増加していく正社員、正規公務員は徐々に減少し、その一方で、高給が望める中核的・専門的労働者と、マニュアル通りに働く低賃金で地位が不安定な単純労働者が増える。 その中間に、安定した収入は見込めるが、増大は見込めないサービス労働者が生き残る。 その割合と移行スピードに関しては議論があろうが、この傾向は間違いなく進展すると考えられる。 もちろんこれは、日本だけではない。世界的な傾向である。 例えば、トーマス・フリードマンは著書の中で、世界中の労働者が過酷な競争に飲まれつつあることを示唆する。 グローバルな産業で働いていると、自分が生み出している価値や、貢献して