公開日 2022.1.5 はじめに 双極性障害では疾患の罹病期間中、うつ状態の期間が長いことが知られています 1)、2)、(図1)。 うつ状態では失業などの経済損失、身体疾患の悪化、自殺率の高さが報告されており躁状態のみならず、うつ状態の治療も重要です 3)、4)、(図2)。 図1 双極性障害におけるうつ状態の期間の割合 図2 自殺企図を呈した双極性障害患者のその後の経過 双極性障害うつ状態ではうつ病に使用される抗うつ薬ではなく、双極性障害うつ状態のための治療薬が使用されます。 日本では承認順にオランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン徐放錠(ビプレッソ)、ルラシドン(ラツーダ)があります。 実際には、クエチアピン(セロクエル)が以前より治療のため適応外使用されていました。 アメリカではクエチアピン・クエチアピン除法錠、オランザピンとSSRIのフルオキセチンの合剤(olanzapine-fl