「まあ、知らないならしょうがないよね。『演繹』とは、いくつかの決まりがあって、それを組み合わせて結論を出す方法のこと。それとは反対に、結論や結果から、もともとの原因や決まりをたどっていく方法が『帰納』だね」 「なるほど。まだ少しイメージがつかめないのですが…結論から前提を考えるなら、『なぜ、なぜ』は帰納ということになるんですか?」 中川さんは、どこから取り出してきたのか「ピンポーン」と、○×クイズの正解音が鳴るおもちゃのボタンを鳴らしてから答えた。 「そうだね、『なぜ』を問いかけることで、帰納的にに考えることができるんだ」 「帰納的に考えるのは何がいいんでしょう?」 「ひとつは、結果、つまりゴールがはっきりと決まっていることだろうね」 僕は、少し話の内容が飲み込めた気がした。 「そうか。今回のプロジェクトだと、最終目標は人形が売れることだから、そこから考えればいいということですね!」 「お