核の惨禍を踏まえた成果が注目された先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に関し、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のメンバーは、G7が核軍縮に関する共同文書「広島ビジョン」で核保有を正当化し、核抑止論を強調したなどとして「期待を裏切られた。怒りに震える」と失望感をあらわにした。一方、英国のスナク首相は帰国前の記者会見で原爆資料館の視察について「深く心を揺さぶられた」と語った。 スナク英首相が視察で見たと明かした三輪車。爆心地から1.5キロの自宅前で、当時3歳の鉄谷伸一ちゃん(写真右)が遊んでいたときに被爆し、死亡した(父の鉄谷信男さん寄贈)=広島市中区の原爆資料館で 被団協はサミット閉幕後の21日午後にオンラインで会見を開いた。13歳の時、長崎で被爆した田中熙巳(てるみ)代表委員(91)は「(G7自身が核軍縮を)どう努力していくかくらいは出してほしかった。残念でならない」と吐露。木戸季市